駅前を歩いていて、ふっと鼻先をくすぐる“あの香り”。
ドアが開いた瞬間、香ばしさが先に立って、あとからほんのり甘い余韻が追いかけてくる。
……気づけば僕は、いつものようにドトールのカウンターに並んでいます。
日常の経験の中で確信したのは、「ドトールっぽさ」は味より先に“香りの設計”で決まるということ。
ところが家で淹れると、なぜか起きる。
「味は近いのに、香りが違う」問題。
大丈夫。ここはセンス勝負じゃありません。
ドトールが公式に語る“淹れ方の基準”や、香りを引き出す抽出の考え方を土台にして、豆の選び方と淹れ分け(温度・粉量・蒸らし・時間)を順番に整えるだけで、家の空気はちゃんと“あの店”に寄っていきます。
この記事では、ドトール コーヒー豆の選び方から、同じ豆でも「店っぽい香り」に近づける淹れ分けまで。
僕の“家ドトール”の作り方を、再現できる手順として丸ごとお渡しします。
一杯のコーヒーで、今日のあなたの部屋の温度が、少しだけ上がりますように。
家で“ドトールの香り”を再現するために、まず知っておきたい「香りの正体」

ここからが、僕がいちばんワクワクしてるパートです。
だって、ドトールの“あの感じ”って、味そのものより先に香りで決まるから。
しかも嬉しいことに、香りって「センス」じゃなくて仕組みで寄せられるんです。
ドトールの香りを一言でいうと、僕の中ではこう。
「香ばしさが先に立って、あとから甘みが追いかけてくる香り」
この「香ばしさ→甘み」って順番、家で出せた瞬間にちょっと笑っちゃいます。
“あ、いま部屋がドトール寄りになった”って、空気が変わるのがわかるから。
その“方向性”を作っている核が、ドトールが強く打ち出している直火焙煎。
公式でも「主に直火式」「焙煎時間は熱風式の約3倍」といった形で、香り高く味わい深いコーヒーのために、わざわざ手間のかかる道を選んでいることが語られています。
ここが超重要で、家で再現するときも「それっぽい豆を買う」だけじゃ足りない。
ドトールが目指している香りの方向に向かって、抽出で“香りを壊さない”必要があります。
つまり家で寄せるなら、狙うべきはこの2つだけ。
- 香ばしさ(ロースト香)を、最初に立ち上げる
- 甘い余韻(ふわっと残る)を、雑味で潰さず残す
ここで約束:このあと紹介する手順は、全部「家で再現できる」ものだけに絞りました。
温度・粉量・蒸らし・時間を、ほんの少しだけ整える。それだけで香りはちゃんとついてきます。
マイクロピース:香りは、口より先に「今日いける」を連れてくる。家でそれが起きたら、再現はもう成功です。
ドトール コーヒー豆の選び方|最初の1袋は「マイルドブレンド」がいちばん近道

ここ、読者さんがいちばん迷うところだと思うんです。
「結局、どの豆を買えば“あの香り”に近づくの?」って。
だから最初に結論だけ言います。
家で“ドトールの香り”に寄せたいなら、最初の1袋はマイルドブレンドが一番ラク。
僕も自宅で再現実験をするとき、まずここから始めます。理由は、再現の成功率が跳ね上がるから。
ワクワクするのはここからで、マイルドブレンドって「無難」じゃないんですよ。
むしろ“ドトールらしさの中心”に一番近い立ち位置。
公式でもこのブレンドを「香り高く、甘みのあるコーヒー」として定番に位置づけています。
さらにオンラインの商品情報では、焙煎度がハイロースト(中深煎)、味わいがバランスと整理されている。
つまり最初から、狙うべき方向がちゃんと“言葉”になってるんです。
豆選びの判断軸(迷ったらここ)
- 入口の香り(香ばしさ)に寄せたい → 中深煎り〜深煎り寄り(香ばしさが前に出やすい)
- 飲み口を軽く、でも香りは欲しい → 中深煎り(マイルド系)(香りと甘みの両立がしやすい)
- 苦味の輪郭までドトールっぽく → 深煎りブレンド系(“香り+コク”の押し出しへ)
そしてここで、ひとつだけ“再現勢”に言いたい。
豆を選ぶのはゴールじゃなくて、スタートです。
マイルドブレンドを選んだ瞬間から、次の章の「淹れ分け(温度・粉量・蒸らし・時間)」で一気に“店っぽさ”が立ち上がります。
小さなコツ:香り再現に本気なら、できれば豆で買って、飲む直前に挽く。
ただし、毎日忙しいなら粉でもOK。後半で「粉でも香りを立てる淹れ分け」をちゃんと用意してあります。
「粉だから無理」じゃなくて、「粉でも勝てる手順」にしていきましょう。
マイクロピース:最初の1袋で“当たり”を引けると、その日から家のコーヒーがちょっと楽しくなる。マイルドブレンドは、その確率を上げてくれます。
淹れ分けで“ドトールの香り”は決まる|温度93℃・蒸らし1分・2分30秒が基準線

ここが、今日いちばん楽しいところです。
なぜなら——「家でドトールっぽい香り」を出す方法が、公式の手順として“数字”で用意されているから。
再現って、ふわっとした雰囲気でやると沼るんですよ。
でもドトールの場合、公式の淹れ方に香り再現の“答え”がかなり具体的に書かれています。
僕はこれを見たとき、正直テンション上がりました。「よし、家で再現できるじゃん」って。
- 沸騰したお湯を1分おくと、だいたい93℃
- 中心から外へ円を描きながら注いで1分蒸らす
- タイマーが2分30秒になったらドリッパーを外す
これ、家で再現するには最高のガイドです。
「感覚」じゃなくて、数字で香りを連れて来れる。
つまり、やることは“上手に淹れる”じゃなくて、基準に合わせるだけなんです。
ワクワクポイント:この3つ(93℃・蒸らし1分・2分30秒)を揃えた瞬間、香りが「立つタイミング」が変わります。
注いだ瞬間じゃなく、蒸らしが終わる頃にふわっと来る。ここで「お、寄った…!」ってなります。
粉量の目安が“店っぽい濃さ”への近道(8〜12g/130〜140cc)
そしてもう一個、再現の成功率をグッと上げるのが粉量と出来上がり量です。
ドトール公式オンラインの商品ページには、1杯の目安として
コーヒー1杯分でコーヒー粉 約8〜12g(出来上がり量 130〜140cc)
と明記されています。
ここが「家で薄くなっちゃう問題」を一発で解決してくれる“芯”。
家でやりがちな失敗って、ざっくり言うと「粉が少ない」か「湯が多い」なんですよね。
だからまずは、130〜140ccに収める。この時点で、味と香りの輪郭がグッと店寄りになります。
“迷子防止”のものさし:SCAの標準比率(55g / 1.000kg水)
さらに、ブレないための物差しとしてSCAの標準(SCA Standard 310-2021)では、試験用の標準比率として55gのコーヒー/1.000kgの水が記載されています。
これ、家庭で「絶対そうしろ」じゃありません。
でも、濃さが迷子になったときの地図としてめちゃくちゃ優秀です。
「今日は薄いな?」と思ったら比率に戻す。するとまた香りが戻ってくる。これが気持ちいい。
マイクロピース:再現は“才能”じゃなくて“調整”。数字を揃えた分だけ、香りはちゃんと返ってきます。
同じ豆でも差が出る「淹れ分け」3レシピ(香り/香ばしさ/甘い余韻)

さあ、ここからが一番おもしろい実験タイムです。
マイルドブレンドを“1つの素材”として固定して、
「どの香りに寄せたいか」だけで、家の空気をドトール寄りにチューニングしていきます。
このパート、やってみるとわかるんですが、同じ豆なのに本当に表情が変わるんですよ。
「香りって、こんなに操作できるんだ」って、ちょっと楽しくなってくるはず。
先にコツ:3レシピとも、温度・蒸らし・時間は“基準線”のまま。
- 変えるのは主に粉量と注ぎ方(=香りの出方)
- だから失敗しにくいし、「違い」がはっきり出ます
じゃあ、いきます。
あなたは今日、どの“ドトールの香り”に寄せたい?
| 狙い | 粉量 / 出来上がり | 温度・蒸らし・時間 | ポイント |
|---|---|---|---|
| ① 香りファースト “ふわっ”を立たせる |
10g / 140cc | 93℃・蒸らし1分・2分30秒で外す | 注ぎは細く一定。中心→外→中心で香りを逃がさない ※「蒸らし後に香りが立つ」感覚が一番わかりやすい |
| ② 香ばしさ寄り “店内の焙煎香”へ |
11〜12g / 130cc | 93℃・蒸らし1分・2分30秒で外す | 濃度で輪郭を出す。時間は伸ばさず、濃さで寄せる ※「店に入った瞬間の香ばしさ」を狙い撃ち |
| ③ 甘い余韻寄り “やさしく残す” |
9〜10g / 140cc | 93℃・蒸らし1分・2分30秒で外す | 蒸らしを丁寧に。雑味を出さず、甘みだけ拾う ※「飲み終わりに、ふわっと甘い」が出たら勝ち |
“ドトールっぽい香り”セルフチェック(3つ)
- 湯を注いだ直後より、蒸らしが終わる頃に香りが立つ(ここでテンション上がります)
- 香ばしさのあとに、ほんのり甘い余韻が残る(“追いかけてくる”感じ)
- 飲み終わりが「重い」より、また一口いける方向(ドトールっぽい軽やかさ)
小さな実験提案:同じ豆で①→②→③を、3日連続でやってみてください。
「豆じゃなくて手順で変わる」が体感できると、家コーヒーが一気に楽しくなります。
その感覚が掴めたら、もうあなたは“家ドトール”の調整ができる人です。
マイクロピース:“店の香り”は、豆より先に、あなたの手順に反応する。だから面白い。
よくある失敗とリカバリー(香りが出ない/苦い/薄い)

ここ、めちゃくちゃ大事です。
なぜなら家で再現してると、ほぼ全員が一度は「あれ?今日なんか違う」に当たるから。
でも安心してください。失敗っていうより、これは調整ポイントが見えたサインです。
先に結論:困ったら“基準線”に戻せば、香りはだいたい戻ってきます。
- 温度:93℃
- 蒸らし:1分
- 抽出:2分30秒で止める
- 濃さ:8〜12g/130〜140cc
香りが出ない → 温度と蒸らしが足りない
「味はするのに、香りが弱い」日は、ほぼここです。
香りって、立ち上がる前に流してしまうと置いていかれます。
- 沸騰→1分置いて93℃へ(まず“香りが出やすい温度帯”に戻す)
- 蒸らしを1分しっかり取る(香りのエンジン始動タイム)
苦い → 抽出が長い(or 追い注ぎで引っ張っている)
苦い日って、だいたい“時間で取りすぎ”です。
家だと「もうちょい…」って追い注ぎしがちで、これが苦味を連れてきます。
- 2分30秒で外す(まずは公式の線で止める。ここが一番効く)
- 濃くしたい時は「時間」より「粉量(11〜12g/130cc)」で寄せる(濃さは時間じゃなく粉で作る)
ドトール寄りにしたいなら、時間は守って、粉で濃度を作るほうが香りがきれいに残ります。
薄い → 粉量と出来上がり量の“比率”がズレている
薄い日は、ほぼ粉が少ないか出来上がり量が多いか、どっちかです。
ここを直すと、びっくりするくらい一気に“店っぽさ”が戻ります。
- まずは8〜12g/130〜140ccの範囲で調整(ここが店の濃さに寄せる芯)
- それでも迷うなら、SCAの標準比率(55g/1.000kg水)を“地図”にする(濃さ迷子を脱出する道しるべ)
小さな実験:「薄い」と感じたら、次回は出来上がりを10ccだけ減らす。
粉をいじる前に量を少し絞ると、香りと輪郭が戻りやすいです。これ、体感できると楽しくなります。
FAQ|家で“ドトールの香り”を再現する疑問
ここまで読んでくれたあなたなら、もう半分は成功してます。
あとは「つまずきポイント」を先回りで潰して、再現の成功率をグッと上げましょう。
Q. 本当に93℃じゃないとダメ?
A. ダメじゃないです。でも“再現の基準線”としてめちゃくちゃ強い。
まずは93℃で一回作ってみてください。香りの出方が「これが基準か」って体感できます。
そこから、もう少し軽くしたい/もう少し香ばしくしたい、みたいに好みに寄せるのが一番早いです。
Q. 蒸らし1分って長くない?
A. “香りを立たせたい日”には、むしろ武器になります。
蒸らしを短くすると、香りが立ち上がる前に抽出が進んでしまって「味はするのに香りが弱い」に行きがち。
1分しっかり取ると、蒸らしが終わる頃にふわっと来る瞬間があって、そこが再現の一番楽しいところです。
Q. 豆と粉、どっちが再現向き?
A. 香り重視なら豆(挽きたてが強い)。これは正直、王道です。
でもね、ここがワクワクポイントで、粉でも十分寄せられます。
コツは「豆か粉か」で悩むより、温度・蒸らし・時間と、濃度(8〜12g/130〜140cc)を揃えること。
これが揃うと、粉でも香りがちゃんと立ち上がってきます。忙しい日ほど、ここで勝てると気持ちいいです。
最後にひとつ:「今日、寄った?」の判定は“味”より“香りの順番”で。
香ばしさが先に来て、あとから甘みが追いかけてくる。
その順番が出たら、あなたの家はもう“ドトール寄り”です。
まとめ|“店の香り”は、豆より先に「手順」が連れてくる

ここまで一緒にやってきたあなたは、もう気づいてるはずです。
“ドトールの香り”って、特別な道具やセンスじゃなくて、手順でちゃんと寄せられる。
この事実がわかると、家コーヒーが一段楽しくなります。だって、再現できる=また遊べるから。
今日の結論(ここだけ覚えればOK)
- 狙うのは直火焙煎の方向性=香ばしさ+甘い余韻
- ドトール コーヒー豆の選び方で迷ったら、まずはマイルドブレンド
- 淹れ分けは93℃・蒸らし1分・2分30秒を基準に
- 濃さは8〜12g/130〜140ccで“店っぽさ”に寄せる
もし明日の朝、時間がないなら——
「93℃・蒸らし1分・2分30秒」だけでも揃えてみてください。
それだけで香りの立ち方が変わって、「お、今日いいぞ」ってなります。
最後に、ひとつだけ。
一杯のコーヒーで、人の一日と人生の温度は少しだけ上がる。
今日のあなたの部屋に“ドトールの香り”が立ったら、それだけで、ちゃんといい日です。
次にやるなら:同じ豆で「香りファースト → 香ばしさ寄り → 甘い余韻寄り」を3日連続で。
違いがわかった瞬間、あなたの家コーヒーは“再現”から“自分の店づくり”に変わります。
参考リンク
今回の「家ドトール再現」は、僕の好みや雰囲気だけで組み立てていません。
ドトール公式が明確に出している“基準”と、抽出の考え方として世界で参照されやすい標準ドキュメントを土台にして、家庭向けに噛み砕いています。
もしあなたが「もっと詰めたい」「自分の味にチューニングしたい」と思ったら、ここが一番の近道です。
リンク先を読んで、また台所で一杯淹れてみる——それだけで再現がどんどん楽しくなります。
- ドトール公式:ドトールのこだわり直火焙煎(“香りの方向性”の答え合わせ)
- ドトール公式:おいしい淹れ方(93℃・蒸らし・2分30秒)(再現の“基準線”そのもの)
- ドトール公式:マイルドブレンド(香り高く、甘みのある…)(最初の1袋を選ぶ根拠)
- ドトール公式オンライン:粉量の目安(8〜12g/130〜140cc)(“店っぽい濃さ”に寄せる数字)
- SCA:SCA Standard 310-2021(標準比率の考え方)(濃さ迷子になったときの地図)
読み方のおすすめ:まずは「淹れ方(93℃・蒸らし・2分30秒)」だけ先に見る。
そのあとに1杯淹れてみると、この記事の内容が“知識”じゃなく体感に変わります。
※店舗の味は抽出機器・水・提供量などで変わります。本記事は公式情報と標準資料を基準に、家庭で近づける方法として整理しています。
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